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** 活動報告 **
 
★ 地震後の村の学校再建状況

2015年4月25日に発生した地震から既に2年が経ちました。ネパール全体での復興は10%程度しか進んでいないと言われています。ネパール政府は被災した世帯に対し、昨年4月より住宅再建の補助金給付を始めましたが、審査を通って耐震基準に適合した家を再建した者がいる一方で、給付対象にならず現在も仮設住居やテント、ヒビ割れた住居に暮らす者も多くいます。サッレ村も同様の状態で、住民間の生活に差が生じてきています。

学校については、ネパールでは100万人近い生徒が学ぶ場を失い、多くが今も仮設教室やテントで学習しています。ネパール政府の試算では、教育分野の総復興額は397億ネパールルピー(約440億円)です。

一方、バル・ピパル学校では少しずつ再建が進んでいます。学生達は、前回ご報告の12教室(3棟)の仮設校舎で今も学んでいますが、皆様のご寄付金でガレキの撤去、被災した教室や劣化した仮設校舎の修復、備品の修理等が行われました。昨年3月にはトイレ1棟、10月には1教室(1棟)が再建され、今年8月には2教室(1棟)の完成も間近です。ご支援を誠にありがとうございました。

あと8教室とトイレ1棟の再建が必要です。また、ネパール政府支援の別の4教室の再建については何も進展がありませんが、これからも、引き続き前進して行こうと考えています。

※学校再建の詳細につきましては、4ページ「( 7 ) 学校運営支援事業②・・・学校再建支援」をご参照下さい。
 
    
 
   

【 1 】パル・ピパル学校 第6・7回目の全国統一試験(SEE)結果


ネパール政府の方針により、全国統一試験(School Leaving Certificate)の名称と評価方法が2016年から変わりました。これまでの点数と合否だけの評価法では、試験結果により進学を断念したり就職に影響する学生が半分以上も出る問題がありました。新方式はSecondary Education Examination(中等教育試験)という名称で、合否の判定はなくなり、米国の大学で一般的に行われる成績評価法GPA(Grade Point Average/成績評価値)が採用されています。GPAの満点は4(GradeはA+)になります。10年生卒業後に受験するという条件や試験内容等の他の要項は従来通りです。

3月の全国統一試験(SEE)では、2016年に437,326名、2017年に462,136名受験しました。バル・ピパル学校の生徒達は、2016年に31名、2017年に27名受験し、結果は表1の通りでした。

全国の成績結果では、2016・2017年の「Grade A+」は上位3.8%・2.3%、「Grade A」は上位9.5%・9.2%でした。ネパール国内の公立・私立、都市部・地方問わず全ての学校出身の学生達が受験したことも考えると、地方のバル・ピパル学校の卒業生の受験結果(Grade Aが2016・2017年に2名・1名)は、優秀であることが判ります。
   
  表1 全国統一試験(SEE)結果

GPA

3.6-4.0

3.2-3.6

2.8-3.2

2.4-2.8

2.0-2.4

1.6-2.0

1.2-1.6

0.8-1.2

0-0.8

合計

得点

90-100

80-89

70-79

60-69

50-59

40-49

30-39

20-29

0-19

Grade

A+

A

B+

B

C+

C

D+

D

E

2016

0

2

5

12

9

3

0

0

0

31

2017

0

1

3

15

8

0

0

0

0

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【 2 】法人の支援事業
( 1 ) 学用品支援事業・・・就学生へ文具品の寄与

教育環境を充実させるために学校に教材や遊具を寄与しています。毎年5月頃の学年開始時期に、年間に必要な文具品をバル・ピパル学校の全生徒に寄与しています。就学生1人に寄与する文具は鉛筆、消しゴム、ノート各種、ボールペン及び換芯、万年筆及びインク等です。2015年度は197名、2016年度は169名でした(表2)。全体的に生徒数が減少しています
   
 
  
   
 
( 2 ) 奨学資金支援事業・・・奨学生の決定及び奨学金寄与

優秀な学生を育てるために学年で成績優秀な児童に文房具や学用品を寄与しています。2015年度は46名、2016年度は58名の優秀な学生に奨学金が寄与されました(表3)。

物価上昇に伴い15年前に設定された支給金額と対象学校の見直しを行いました。これまではサッレ村周辺の村の14校で学ぶ計100~200名の学生に文具品を支給していましたが、2015年度より一番近い3校に絞り、1人当たりの金額を増やしました。また、学用品支援事業により既にほとんどの学生が必要な文具品を受け取っているため、文具品から奨学金の支給に変更されました。今後は資金が増えれば、再び対象校の数を増やしたいと思います。奨学金設定額は表4・5に示した通りです。なお、新たにSEEの奨学設定金額が設けられました。

この3つの学校には、現地法人のバル・ピパル奨学財団から招待状を送り、バル・ピパル学校にて奨学金と賞状の授与式が行われました。例年の通り村々から奨学生達、代表教師1人と父母がサッレ村に集まり、踊り等で祝いました。
  
   
 
   
  
  奨学金を受け取る奨学生達
   
  ( 3 ) 識字率向上支援事業・・・脱穀機導入の成果

住民全体の教育レベル向上のために夜間学校で学ぶ成人(特に女性)も奨学支援の対象としています。2004年に夜間クラスで学ぶ成人の出席率向上のため、村に脱穀機を導入しました。当時の予算は20~30万円でしたが、年々成人達が読み書きを覚え夜間クラスを開講する必要がなくなり、予算も減らしてきました。現在、脱穀機施設の管理・修理等の運営がほぼ自立し、2015・2016年度の決算も各10,000円のみです。

脱穀機の利用は母親達だけでなく、その手伝いをする児童達の家事労働の負担軽減にもなり、勉強時間の増加と学校出席率の向上等に役立っています。そのため、今後も多少の資金の支援が必要と考えられます。
   
  ( 4 ) 書籍購入支援事業・・・書籍の購入

住民に国内外の情報や専門知識を提供するために絵本・技術書等を寄与しています。図書館の設立後、2014年度まで予算を増やして書籍数を充実させてきたため、2015・2016年度の購入は減り決算額が少なくなっています。学生達や村の住民にも自由に貸し出し、大変役に立っています。なお、新聞と雑誌はまだ揃えていません。
   
  ( 5 ) 図書館設立支援事業・・・図書館の運営

住民が自由に教育に触れる機会を得られるように10年間積立を行い、2013年に図書館を設立しました。  

この図書館は耐震設計で建てられ、2015年の地震の被害は受けませんでした。全半壊した教室・教員室・事務室が併用されています。現在約3,900冊の本が揃い非常に充実しています。貸出期間は3日です。

新聞や雑誌を置いていないため、大人達の利用は少ないですが、1~8年生は図書館で本について学ぶ授業があり、活発に貸出が行われています。9~10年生も個人で利用しています。
   
 
( 6 ) 学校運営支援事業①・・・教職員の給与支援

教育レベル向上のために学校教師の雇用資金を援助しています。毎年の物価上昇に伴う教職員の給与の昇給が悩みの種で、この8年間で全国的に1~5年生担当の教員の給与も約4倍に上昇しています。さらに、担当する学年数が高いほど給与も高額になります(表6)。

表7の通り、バル・ピパル学校では合計14名の職員を雇用しています。この中で、ネパール政府から給与が支給される教員枠は6名、用務員・補助員は2名の計8名(表7の1~8番)です。対象になる教員は公的試験に合格した者です。

この8名のうち6名は、政府が支給する給与額分より多くの学年を担当しているため、不足分は学校側が国からの補助金と日本のご寄付金で補っています。

政府支給のない残り6名分(表7の9~14番)は、全額を学校側が支給しています。政府支給額と比べると同等の昇給は不可能なため、経験年数等を考慮した金額設定にしていますが、教員からは昇給の要望があり難しい状況です。

なお、学校設立時からの校長先生が家族でカトマンズに移転したため、2016年9月より新しい校長先生が就任しました。以前からバル・ピパル学校に勤務するBikendra Narayan Shrestha先生です。

※表7・学校教職員の月給内訳については、次年度の事業報告書で担当学年等の詳しい情報を掲載します。
  
   
 
 
   

6-1 :「サロン・ド・アサミ(Salon de Asami)」による教員の給与のご支援


「サロン・ド・アサミ」の皆様のご寄付により、1~5学年の女性教員Kalpana Gurungの給与を2016年12月まで4年間に渡り支援して頂きました。それ以外にも、教材や通学鞄の寄贈等、法人活動にご協力下さっています。

「サロン・ド・アサミ」は音楽や講演等、様々な文化活動を行う交流の場です。代表の石井智恵氏がサロンに募金箱を設置し、多方面でご寄付や地域活動も行っています。

2009年からこれまでに、3名の教員の給与等に合計200万円を超えるご支援を頂いた他、石井氏からも音楽教師雇用のために6年間で合計300万円のご寄付を頂いてきました。 

学校運営の大きなご支援を、誠にありがとうございました。

( 7 ) 学校運営支援事業②・・・学校再建支援

2015年の地震で被災した学校の再建や修復資金等を援助して、学校運営の継続を支援しています。

7-1 :「青葉ふれあいの会」のご支援金による仮設校舎の修復

2015年11月に横浜にて、学校復興支援のために「青葉ふれあいの会(代表 栗木正壽氏)」主催で、ヴァイオリニスト鈴木健史氏とピアニスト鈴木弘子氏のチャリティー公演が開催されました。

その1ヶ月前に、公演資金を集めるため、クラウドファンディング(インターネット募金)を立ち上げて下さり、ご協力で集まった寄付金が目標額に達成し、開催が実現されました。そして2016年1月に、公演チケットの売上金から支援金を当法人へ贈呈して下さいました。

政府とユニセフ支援で建てられた竹製の仮設校舎はかなり劣化が進んでいたため、ユニセフが寄与してくれたトタンを使った修復が予定されていました。その修復費用の半分をご支援金で補うことができました。2016年2月に、柱を木材に替え、屋根と壁をトタンで補強して大変きれいになりました。その後2度の雨期で再度傷んできていますが、持ち堪えて利用しています。会の皆様、公演にご協力頂いた皆様に心よりお礼申し上げます。

会では、横浜市青葉区とその周辺地域の人々の「共生」を目的とした社会貢献等の活動を行っています。

公演等の様子は会のブログ(https://plaza.rakuten.co.jp/aobafureai/diary/?ctgy=5)でご覧になれます。

 ※下記の一番左の写真は、ブログより転載させて頂きました

  

7-2 : クラウドファンディングでのご支援による校舎(1教室)の再建

図書館と同じ鉄筋コンクリートの梁を入れた校舎を、まず1教室(1棟)再建したいと、必要な費用150万円を目標金額として、2016年1月に当法人の名義でクラウドファンディング(インターネット募金)を始めました。2月には、再建活動にご賛同下さった東京都市大学教授の枝廣淳子先生が京都マラソンでチャリティーランを完走し、募金を呼び掛けて下さいました。またマラソン会場では、「京都中ロータリークラブ(当時会長 岡本靭彦氏)」のロータリアンの皆様と「華頂女子中学高等学校インターアクトクラブ」のメンバーの皆様が街頭募金を行って下さり、8,601円が集まりました。2016年3月末の終了時までに、クラウドファンディングでは108名様から1,111,050円が集まり、管理事務局への手数料15.25%(169,466円)を差引いた941,584円が当法人の口座へ振込まれました。

クラウドファンディングがきっかけで、募金期間中にこの活動と枝廣先生のチャリティーランの記事が読売新聞の横浜市版(2016年3/22付)に掲載されました。記事をご覧になった15名の読者の方々からも合計438,000円の募金を頂き、おかげ様で最終的には総額1,388,185円となり目標額をほぼ達成しました。

設計は、リジャルのネパールの母校の学生やOBからなる団体「アシュラヤ」が行い、基礎と梁は鉄筋コンクリート、壁は現地調達できる石にしました。広さ約34㎡の1階建て、45名が収容でき、理科の実験やパソコンを学ぶ教室にしました。2016年5月に建設が始まり、雨期で7~9月は中断しましたが、10月24日に竣工式を迎えることができました。

右表の通り再建費用の残高が約16万円あり、今年になってからパソコン追加購入や修理に充てることができました。学生達は立派な教室で楽しく学んでいます。

ご支援・ご寄付をして下さった皆様に、もう一度、この場をお借りしてお礼申し上げます。

詳細は、下記のHPでご覧になれます。
*ジャパンギビング(クラウドファンディング)
https://japangiving.jp/campaigns/3624#summary

*イーズ未来共創フォーラム(枝廣先生が代表の会社)
http://www.es-inc.jp/insight/2017/ist_id008824.html
   
   
   
7-3 : 新聞報道による復興支援のご寄付

昨年3月の新聞記事によるご寄付の他にも、法人の学校再建活動について、読売新聞、神奈川新聞、タウンニュース都筑区版の3社様に記事を掲載して頂く機会がありました。

記事の掲載をきっかけに、再建活動にご賛同下さった16名の読者の方々から2016年4月27日~2017年6月12日の期間に合計1,275,000円のご寄付がありました。このご寄付金は、学校復興資金として大切に使わせて頂きます。

また、2名の方々より個別に教室再建資金のご援助のお話を頂き、2教室(1棟)の再建に必要な費用として合計250万をご寄付頂きました。この2教室は2017年4月から再建されることになりました。
さらに、1名の方より学校運営資金として30万円のご支援があり、給食費用の資金にさせて頂くことになりました。

ご寄付下さいました皆様からの、温かいご支援に心より感謝申し上げます。

※上記の2教室再建ご支援については、次ページ「7-4 : 新聞読者様のご支援による校舎(2教室)の再建」、給食費用のご支援については、次ページ「7-5 : 新聞読者様のご支援による学校給食の再開」をご参照下さい。
 
7-4 : 新聞読者様のご支援による校舎(2教室)の再建

新聞記事を読まれた相模原市の歯科医師の奥村寛道氏と足柄下郡の女性の2名の方々より、2教室(1棟)の再建に必要な資金250万をご寄付頂き、この校舎の再建が2017年4月から始まりました。

当初は、費用はドア・窓・床を再利用、崩れた壁の再建で60万円の試算、また設計はクラウドファンディングのご支援校舎と同じ方式の計画でした。しかし、建設条件についてネパール政府が、JICA(日本国際協力機構)の方針「より良い復興」に基づいた耐震基準と規格モデルを採用し、一律の条件が定められました。その条件に適合しないと、建築許可は下りないようになりました。ガイドラインでは、規格の広さ約42㎡の1階建て教室に建設費用100万ルピー(約120万円)が必要で、加えてその5%の金額を建設認可料と政府から派遣される技術者の指導料として支払うことが条件になりました(本件は2%になりました)。この規格モデルは地震で持ち堪えたJICA支援の2教室と同じ規格です。安全な耐震校舎ですが最初の試算よりも見積額が増え、2教室で250万円が必要となりました。

建設は、今年8月に完成予定です。詳細につきましては次回の事業報告書でお知らせ致します。

※クラウドファンディングで再建済み1教室の建築許可については、新しい耐震基準をほぼ満たしており、また建設当時は政府の建設条件の周知が不徹底だったため、後付けで建築許可が下りました。
 
7-5 : 新聞読者様のご支援による学校給食の再開

バル・ピパル学校の支援生徒数は、2015年度に197名、2016年度に169名でした(2ページ・表2)。全体的に2011年度から生徒数が減少しています。理由は、周辺の村でも学校が運営され始めた、仕事を求めて都市部に移転する世帯が増えた、2015年の地震で自宅が倒壊し親の実家の村やカトマンズ等へ移転した、世帯当たりの子供数が減少した(計画出産・父親が出稼ぎ)等が考えられます。

生徒数が減ると、政府の補助金が減額されて学校運営が困難になる恐れがある他、一部の学年の閉鎖、他の村の学校との統合の可能性もあります。そうなると、再び以前のように遠い村まで通学しなくてはならない状況になります。

学校給食も生徒減少の理由の1つに考えられます。現地法人バル・ピパル奨学財団への給食費用のご支援が終了して資金不足となり、2015年度からバル・ピパル学校の給食支給を中止していました。それも影響しているようです。また、給食が出ないと、一度自宅に帰って昼食をとる子、夕方まで何も食べない子、自宅からトウモロコシ等簡単な物しか持参しない子等がいました。遠い村から通学している児童もおり、保護者からも給食再開の要望がありました。

その状況の中、今回の新聞記事をご覧になった伊勢原市の梅原和美氏より、給食費用として30万円のご支援が決まりました。今年5月から1年間の予定で再開されています。

給食の再開で、次第に近隣の村から通学を始める生徒が出てくると予想され、生徒数増加に良い効果の可能性が期待されます。今後資金が集まれば、継続的して行きたいと考えています。

【 一週間の給食メニュー 】 日曜日:麺料理 
月曜日と水曜日:チウラ(干した米)と豆料理 
火曜日と木曜日:グルコース(栄養価の高いビスケット)
※ネパールでは、一般的に学校や会社は土曜日が休日です。金曜日は学校が半日で、給食は出ません。

7-6 : 今後の学校再建の課題


必要な教室数は17教室です。地震により、17教室(7棟)のうち15教室(6棟)が全半壊しました。コンクリート製の図書館とJICA支援で建設の2教室(1棟)は無事でした。15教室の再建が必要となり、そのうちの4教室はネパール政府の援助を見込み、11教室を自力で再建する計画を立てました。無事だったJICA支援の2教室(1棟)は4教室に分けて仮設教室にしました。

現在使用中なのは、仮設校舎12教室(3棟)、教室・教員室・事務室は図書館と併用、再建した理科室1教室(1棟)です。トイレも1棟が再建されました(【3】①参照)。また、今年8月に2教室(1棟)が完成予定です。

今後の課題は、残りの8教室の再建です。仮設校舎は雨風で損傷や劣化が早いため何度も修復を重ね、いずれは使用に耐えられなくなります。特に雨期に心配です。ネパール政府の新しい耐震基準と建設条件により、1教室に100万ルピー(約120万円)の建設費用が必要になり、私達の最初の見積額より高くなりました。一方、当初よりコンクリート製の教室を計画していた4教室については、1教室を150万円の計600万円で試算していましたが、規格モデルのJICA方式の方が安くなりました。最終的に見直した見積額は、8教室とトイレ1棟で、合計990万円になりました(表8)。

今年になり、スウェーデン支援の現地非政府団体から、学校再建のために600万ルピー(約660万円)の援助の提案がありました。被害が甚大だったシンドゥパルチョーク郡で実績のある団体です。300万ルピー(約330万円)の自己資金が用意できれば、残り8教室の再建が可能になりますが、まだ援助対象校の候補の一つに挙がっている段階で、正式な契約の話には至っていません。

また、これまでの支援実績からネパール政府が4教室は支援してくれると見込んでいますが、今のところ再建の話はありません。これらの状況を踏まえて、今後の動向を見ながら再建支援活動を続けて行こうと考えています。

 
 【 必要な教室17教室の内訳 】
幼稚園児・1~10学年生の各授業教室:11教室
(以下、各1教室)パソコン室、保健室、教員室、事務室、数学用教室※、理科室※
※10学年生のみ、理数系を学ぶ教室が必要なため
 *現在使用中の3つの仮設校舎*
 
 
【 3 】現地の非営利活動法人パル・ピパル奨学財団へのご支援

バル・ピパル奨学財団はネパール政府登録の現地法人で、サッレ村とその周辺の村民のボランティアによって設立されました。私達が支援事業を行う際の現地の受け皿であり、日本からのご寄付金の管理・運営を行っています。
また、複数のご支援者様より、バル・ピパル奨学財団へ直接のご寄付とご支援も頂いています。

① 「京都中ロータリークラブ」ご支援によるトイレ1棟の再建


地震の後、「京都中ロータリークラブ(当時会長 岡本靭彦氏)」のロータリアンの皆様より、創立25周年記念事業として学校再建ご援助のお話を頂きました。学校施設のトイレは2棟とも被災していたため再建をお願いし、2016年1月にクラブから現地のバル・ピパル奨学財団に1棟分の再建資金をご寄付頂きました。

2016年3月に完成、石積みをセメントで接合した建物で、1棟の中に男女別のドアが設けられ、さらに個室に分かれています。おかげ様で、子供達は安心して新しいトイレを利用しています。誠にありがとうございました。 



 
② 賃貸建物の売却による教員の給与支援


2011年に、将来はなるべく寄付金に頼らずに学校運営を行うことを目的に、「サロン・ド・アサミ」代表の石井氏の個人的なご寄付で、カトマンズ郊外に100㎡の土地を210万円で購入、2014年に3階建9部屋の建物を510万円で建設しました。土地・建物とも現地のパル・ピパル奨学財団の名義とし、全部屋を人に貸してバル・ピパル学校の管理・運営の資金にしていました。

当初は年間約25万円の収入で、学用品支援と奨学資金支援の資金面の自立が可能な試算でした。しかし建設完成と同じ時期に、ご支援者様からの教員の給与援助の一部が終了となり、事業計画の中で給与支援が困難になりました。そのため、この賃貸収入を給与支援に充てることになりました。

その後も、物価上昇による昇給問題が大きくなり、どうしたらよいか私達と現地パル・ピパル奨学財団で話し合いが行われました。賃貸住居を何とか財産として残しておきたいところでしたが、家賃の大きな値上げは難しいです。石井氏にご承諾頂いた上で、残念なことではありますが、建物を売却することに決定しました。

建物の相場は、地震で大きな損害はなかったものの多少のヒビが入っていたことや、新しい耐震基準により3階部分を壊さなければならない可能性があることで、購入時よりも価値が下がってしまいました。2017年1月に現地バル・ピパル奨学財団と買主が直接契約をし、利息込の価格650万ネパールルピー(約720万円)を、毎年65万ルピーずつ10年間かけて支払われることになりました。年65万ルピーで、女性教師1名Kanchhi Maya Gurung、男性教師2名Ganga Bahadur Kuwar、Deepak Thapa Magarの計3名のほぼ全額の給与支援が可能になりました(表7)。

石井氏のご援助とこのたびのご理解に感謝しております。氏のご支援を無駄にしないよう、この10年間を持ち堪えて次の世代へ繋いで行きたいと考えています。
 
 
 
③ 「フィリピンの友を援ける会」による学校運営のご支援


「フィリピンの友を援ける会(代表 石田和子氏)」の皆様には、バル・ピパル学校の土地購入と建設、教員の給与、給食、生徒の制服等の供給、塾運営等、設立から運営まで長年ご支援を頂いてきました。学年数の増加に伴う費用も増え、これまでのご寄付は合計700万円以上にもなりました。間もなく、会からのご援助の終了時期を迎えることになります。会の皆様には、長い間大変お世話になりました。地震により困難な状態ではありますが、これまでのご支援に答えられるように、皆で乗り越えて行きたいと思います。誠にありがとうございました。
【 4 】寄付金収入及び正会員数

2015年度(第13期)と2016年度(第14期)の寄付収入は、下記の「事業収支計算書」の通りです。
 
 2015年度は、5つの団体様と44名様より1,265,493円のご寄付がありました。そのうち1名様の匿名のご寄付がありました。直接お礼申し上げられないため、この場で感謝のご挨拶に代えさせて頂きます。個人の皆様を始め、西村酒店様、一宮よつば会様、サロン・ド・アサミ様、アミナ・コレクション様にはご協力頂き誠にありがとうございました。また、長年活動をご支援して下さる画家の乗田貞勝氏が2015年6月に講演されたご縁で、主催団体の鹿島市文化連盟の松尾英樹理事長のご好意により、募金のご寄付を頂きました。本当にありがとうございました。

2016年度は、4つの団体様と14名様より422,850円、クラウドファンディングで最終的に集まった1,388,185円で合計1,811,035円になりました。個人の皆様、西村酒店様、サロン・ド・アサミ様、青葉ふれあいの会、イーズ様、クラウドファンディングに募金下さった皆様、誠にありがとうございました。

正会員数は両年度とも15名でした。いつもご支援頂き、心よりお礼申し上げます。

なお、個人の方々のご寄付者リストにつきましては、お名前の公表を希望されない方もいらっしゃるため、掲載を控えさせて頂きます。どうぞ、ご了承下さい。
ご支援のお願い

 この事業報告書の作成にあたり、ネパール全体の復興現状を調べていく中で、国際社会の、特に日本政府の総額320億円を超える援助について知りました。

円借款貸付契約による「緊急学校復興事業」(アジア開発銀行との協調融資140億円限度)と「緊急住宅復興事業」(世界銀行との協調融資120億円限度)の2事業の支援、学校改修等に日本信託基金を通じた18.75億円の支援、公共施設の再建・修復に40億円の無償支援、教育分野の復興に3億円の無償支援、民間の寄付と政府資金からなる助成金2.09億円をインフラ・学校・住宅再建を行う日本のNGOに給付する支援が行われています。

ネパール国内の政治的事情以外にも、山間部という地理的条件、貧困等の根本的な問題もあり、現場では復興が計画通りに進んでいない側面もありますが、建物再建や防災普及、教育分野面での日本政府の細かい支援内容に心が動かされました。また、学校と教育環境について優先的に考えていることに注目しました。

ユニセフ(国連児童基金)は、授業に集中できない仮設教室での勉強が長引くと教育の質が低下し、その後の進路の幅を狭め、失業者増加等の次世代の貧困を生むことになる、と言います。バル・ピパル奨学基金もこの言葉を忘れずに、学校再建支援と就学支援を続けて行きたいと考えています。

2017年度(第15期)の事業収支計画書は下記の通りです。皆様には既にたくさんのご支援を頂いておりますが、今後とも活動を応援して頂きますよう宜しくお願い申し上げます。

今回は、事業報告書の作成がずれ込んでしまい、前回と同じく2015・2016年度の合併号となりました。2017年度分につきましては、来春の全国統一試験(SEE)の結果が判り次第、お手元にお送りしたいと思います。学生達も頑張って勉強していますので、良い結果をご報告できれば幸いです。

最後になりましたが、皆様のご支援でここまで前進できたことを、改めてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
 


(PDF形式でご覧になれます)
事業報告(2003年度)第1号
事業報告(2004年度)第2号
事業報告(2005年度)第3号
事業報告(2006年度)第4号
事業報告(2007年度)第5号
事業報告(2008年度)第6号
事業報告(2009年度)第7号
事業報告(2010年度)第8号
事業報告(2011年度)第9号
事業報告(2012年度)第10号
事業報告(2013・2014年度)第11号
クラウドファンディング校舎建設報告書(2017年)
事業報告(2015・2016年度)第12号
(学校でバレーボール)
特定非営利活動法人 バル・ピパル奨学基金