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** 設立趣旨 **
 私達が援助を行う対象地域、バグマティ県ダディン郡を知ったのは、友人であるネパール人私費留学生リジャル氏を通してでした。 彼は、この地方出身であり、山村の発展と教育レベルの向上を切望しています。

 彼の出身地サッレ村は、首都カトマンズと同じ県内にあり、直線距離で北西約50キロメートルしか離れておりません。 ところが、移動する場合にはバスで約4時間、さらにバスを降りてから山道を4時間歩かなければなりません。

 ネパールの多くの山村同様、この村でも教育に関する子供達の問題は深刻です。 家庭の経済的な理由や、家業の農業を手伝う重要な働き手という理由で、初めから就学を断念したり、就学途中で辞めてしまう子供達は多いのです。 特に女児の場合、親が女性に学業は不要とみなして教育の機会を与えず、読み書きすらできないことも少なくありません。

 また、村の多くの世帯では自給自足の生活で、現金収入がほとんどありません。 土地がやせている、一世帯あたりの子供の数が多い、などの理由から、1年の収穫物は9ヶ月分の食料にしかなりません。 そのため、現金を得ようとインドや中東に出稼ぎに行く者もいます。 子供を都会に出稼ぎに出さざるを得ない場合もあります。 7才位になれば、レストランで皿洗い、一般家庭で子守りや家事労働を行います。 それでも家計が苦しく、銀行や高利貸しに借金をする家庭もあります。


        (サッレ村/2010年12月撮影)
 このような村に生まれ育ったリジャル氏でしたが、縁あって知り合った日本人の援助によって、日本への留学の機会に恵まれました。

 その後は、日本の奨学財団の経済的・精神的支援のおかげで、大学から大学院まで通算10年間就学することができました。

 彼自身の受けた支援を通じ、社会奉仕の精神も学びました。 日を追うごとに彼は、母国ネパールの発展には教育が一番大事だと実感しているそうです。
 私達は彼の目標に賛同し、友人達に呼びかけて、バル・ピパル奨学基金の設立を決意しました。
村の発展と生活環境の改善には長い時間と多くの資金が必要ですが、まず最初に行うべきことは教育であり、住民の識字率と就学率の向上です。 奨学金制度を設けて生徒を援助すれば、親の負担が軽くなるばかりか、子供達もリジャル氏のように奨学金を受けようと一生懸命勉学に励むことでしょう。

 その結果、子供の就学率が向上し、将来村の環境改善の中核として活躍してくれると思うのです。 私達の活動趣旨を数多くの人々に伝え、協力及び支援を受けるには、活動母体が明確である必要があります。 また活動内容が長い時間のかかる教育問題であるため、継続性が重要であることを考え、法人を設立しました。
< この法人名の由来 >
 ネパールでは、山間部の人々の交通手段は現在でも徒歩に頼るしかなく、 山道には旅人のための休憩所があります。 その目印として、「バル」と「ピパル」と呼ばれる、 2本の菩提樹が並んで植えられています。 「バル」は男の木、「ピパル」は女の木を意味し、中には樹齢400年の 大木もあります。
 長い歴史の間、風雨や強い日差しから多くの旅人を守り、 安らぎを与え続けてきたこのバルとピパルのように、 ネパールの子供達も立派に成長し、人の助けとなる人間になって欲しい と願い、「バル・ピパル奨学基金」と名付けました。

< トップページのイラストについて >
芽を育てるために協力する人々。

「種をまく人」、「日光をあてる人」、「水をあげる人」。 立派に育った芽と小さな芽。鳥が木の実を食べ、遠くに種を運んでいる様子。 ネパールの子供達もこの芽のように、皆で協力して育てて行きたい、 そんな思いを「ゆいガイア」イラストレーターの井林昌子氏に伝え、描いていただきました。
特定非営利活動法人 バル・ピパル奨学基金